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日本におけるアスレティックトレーナー/ATの現在と未来の展望

スポーツトレーナーとして働くための資格の一つに、『アスレティックトレーナー』というものがあります。

アスレティックトレーナーは、スポーツ現場と医療機関を繋ぐ非常に重要な役割を担っています。

怪我した選手をその場で評価し必要な処置を行い、医療機関への受診を促す

そして医療機関でのリハビリを終えた選手に対してアスレティックリハビリテーションを行い、競技復帰までサポートする。

この説明では簡単すぎますが、大まかに言えばこのような職業です。

日本におけるアスレティックトレーナーの年収はどれくらいなのか。

アメリカにおけるアスレティックトレーナーの年収とどれくらいの差があるのか

アスレティックトレーナーが稼ぐためにはどうすればいいのか。

アスレティックトレーナーの社会的地位はこの先どうなっていくのか。

そんな疑問に対して、自分なりに考えてみました。

ぜひ、最後までご覧ください!!


ATの現在 【年収・給料事情】

日本のアスレティックトレーナーの年収・給料事情

日本のアスレティックトレーナーの年収に関して、2018年に公益財団法人日本スポーツ協会がまとめた『日本のトレーナー実態調査 JSPO-AT版集計報告書』を参照します。

回答者は、JSPO-AT(日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー)の保有者となっています。

年収に関して、調査結果をまとめたものが以下になります。

  • なし:3.3%(22名)
  • 1〜100万円:37.3%
  • 101〜200万円:10.4%
  • 201〜300万円:12.0%
  • 301〜400万円:11.1%
  • 401〜500万円:7.1%
  • 501〜1000万円:16.4%
  • 1001万円以上:2.2%

100万円以下の収入を得ている方が37.3%で最多となっています。

次いで501~1000万の収入を得ている方が16.4%となっています。

上記の通りで、年収200万円以下の割合は51%で、半数を超える結果となりました。(参考:日本のトレーナー実態調査

日本のアスレティックトレーナーの年収とその割合を示したもの。

JSPO-ATの資格取得難易度が高いことを踏まえると、日本のアスレティックトレーナーに対する社会的価値はまだまだ低いというのが現状です。

ですが、ここ最近の健康意識の高まりにより、着実に認知され始めている職種なので、徐々に社会的価値が向上していくと期待されます。

また、スポーツジムなどのパーソナルトレーニングでの健康被害についてニュースになっていたりしましたよね。

「2NDPASS」様のサイトで詳細に解説されていますので、ぜひご一読してみてください。

消費者庁による「パーソナルジムにおける事故と健康被害調査」を受けたガイドライン

そういったところからもATの資格を所持していることがプラスに働いていくことは間違いないのではないでしょうか。


アメリカのアスレティックトレーナーの年収・給料事情

アメリカでは、NATA(全米アスレチックトレーナーズ協会)公認のBOC-ATCという資格が存在します。

BOC-ATCは、アメリカ医学会により認められた国家資格で、看護師や理学療法士と同じ準医療従事者として扱われます。

BOC-ATCを保持するアスレティックトレーナーの年収については、NATAがまとめた『2018 Salary Survey Results』を参照します。

BOC-ATC保有者の年収の調査結果は以下とされています。

  • 全体:57,203ドル(約630万円)
  • 博士号:79,418ドル(約870万円)
  • 修士号:56,347ドル(約620万円)
  • 学士号:52,010ドル(約570万円)

上記の通りで、「1ドル=110円」と仮定した年収相場も表しました。

アメリカのアスレティックトレーナーの年収を示したもの。

アメリカでは平均年収が約630万円であることから、日本よりも給与水準が非常に高いと分かりますね。

つまり、アメリカのアスレティックトレーナーの社会的価値は、日本の医療従事者と同じレベル、むしろそれよりも高い水準で確立されていると言えます。


ATとして食べていくために

アスレティックトレーナーとして成功するのは、もちろんのこと容易ではありません。

前述の通り、日本のアスレティックトレーナーの年収は極端に低く、トレーナー業1本で稼ぐハードルは非常に高いと考えることができますよね。

年収・給料を上げるポイントとしては、以下の3つです。

  • トップアスリートの専属トレーナーになる
  • プロスポーツチームの専属トレーナーになる
  • BOC-ATCを取得してアメリカで活動する

上記の通りで、いずれも難易度は非常に高いです。

これらの条件を満たすには、知識・経験・スキル・人脈などをフル活用しなければなりません。

特に『経験』が非常に大切だと耳にしたことがあります。

まずは、トレーナーとしてどのように活躍したいかをイメージできるか、そしてイメージした上でどのような道のりを辿っていけばいいのか、しっかり考えることが大切です。

その後、将来から逆算して必要ならば国家資格の取得や医学知識の見聞を高める、コーチングスキルの習得などを通して、スキルを高めていきましょう。

アスレティックトレーナーが就職するのは以下のような場所になります。

  • スポーツジムやフィットネスクラブ
  • プロのスポーツチーム
  • トップアスリートとの専属雇用契約

アスレティックトレーナーの仕事はプロに指導することだけではありません。

スポーツジムやフィットネスクラブにアスレティックトレーナーがいることで、一般の人により効率的で安全な方法で運動を提供することができます。

健康志向の高まりや高齢化を受けて、今後この部分の需要は多くなっていくことが予想されます。

プロのスポーツチームやトップアスリートとの専属雇用契約はどちらも狭き門ですが、アスレティックトレーナーの役割が最大限に発揮できる場です。

求人情報が公になることは少なく、自身で実績を重ねるか人脈に頼ることになるでしょう。


ATの展望 『産業アスレティックトレーナー』

ここ最近では、『産業アスレティックトレーナー』という分野が新しく確立されつつあるようです。

トワテック」様のサイトにて産業アスレティックトレーナーが紹介されていますので、下記リンクからぜひご一読ください。

Industrial Athletic Trainer(産業アスレティックトレーナー)

トレーナーは「スポーツ業界だけにとどまらない」ということです。

『産業アスレティックトレーナー』とは、簡単に言うと会社で働く会社員に対して体操指導などを行い、働く人の健康面を担うトレーナーのこと。

この文言からいくと、「健康運動指導士」の資格を持っている方も参入できそうなところですね!

実際、「理学療法士」の資格を持ちながら企業内でこのような活動を仕事としてされている方のお話も耳にしたことがあります。


話しは変わりますが2023年は、様々なスポーツにおいて素晴らしい結果を残した年だったのではないでしょうか。

野球・バスケットボール・バレーボール・サッカー・ラグビー・陸上競技などなど。

日本代表が素晴らしい結果を残せた背景には、必ずそれをサポートしているトレーナーがいます

もちろん代表のトレーナーになるのは簡単なことではないですが、いつチャンスが巡ってくるかわかりません!

いつでも動ける準備をしておくことが大切ですね!


まとめ

日本におけるアスレティックトレーナーの年収は、約50%が200万円以下

だが500万円以上稼いでいる人も20%程度いる

アメリカのアスレティックトレーナーの年収は平均で約630万円

日本における医療従事者あるいはそれ以上。

アスレティックトレーナーとして働き高収入を得るには……

1.プロスポーツチームの専属トレーナー

2.トップアスリートの専属トレーナー

3.アメリカの資格を取りアメリカで活動

今後の展望として……

『産業アスレティックトレーナー』が世に広まりつつある!

アスレティックトレーナーの活動の場はスポーツ現場だけにとどまらない!

広い視野で活躍の場を逃さないように準備しておこう!

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