現在、PT1年目で整形外科クリニックに勤務しておりますが、患者様のお悩みの中で多い「腰痛」。
『腰痛にはさまざまな病態があり、患者様一人ひとり違う要因がある』
これが腰痛が慢性化しやすい要因の一つではないでしょうか。
整形外科クリニックなど外来でのリハの場合、20分あるいは40分という限られた時間の中で、即時効果を出す必要がある。
病態を正しく鑑別し、要因を特定して、それに対してアプローチしていく。
この書籍には、限られた時間の中で患者様に満足していただくためのメソッドが詰まっています!
また、【すべての疾患に共通する治療・アプローチの考え方】を学ぶことができます。
新人PTだけでなく、すべてのPT必読の一冊です!!
今回紹介する書籍はこちら!
成田崇矢の臨床『腰痛』 著者:成田崇矢 発行所:運動と医学の出版社
本書籍は、2023年の3月30日に第1版第1刷が発行されています。
ちょうど私が入職する直前に発売された書籍です。
私の職場では、書籍を買っていただいたりできるので色んな書籍が置いてあります。
表紙にでかでかと『 腰痛 』と書かれていて、まさに専門書といった感じでかっこいいですよね。
気づいたら手に取っていました。
この書籍の著者である成田崇矢先生は、PT・JSPO-AT・NSCA-CSCSの資格を所持されており、飛込日本代表のトレーナーなども経験されている方です。
この書籍のいいところ
この書籍のいいところはもちろんたくさんあります。
中でも私がいいなと思ったのは、『パッと見の見やすさ』です。
皆さんも書籍を買うときにみれるものは中身を少し見たりしてから、購入されるかと思います。
この書籍は、初め読もうと思ってチラッと見たときに、すごい見やすいな、読みやすそうだなと思いました。
各ページの余白の感じとか、項目ごとにしっかり整理されているところなどなど。
また、色の使い方も濃い目の色使いで、しっかりとしていて見やすいです。
図やイラストも完全フルカラーでとても見やすいものとなっています。
文章中の重要なところには、アンダーラインが引いてあったり、太字・赤字になっていたりと、『読みやすくするための工夫』がしっかりとなされています。
どこが重要なのかひと目でわかり、理解がしやすいです。
そしてやはり、『腰痛』と表紙に書いてあるだけあって、専門性が凄いです。
一気に腰痛への理解が深まり、臨床での評価・治療の幅が広がります!
最も重要なポイント
次の文章がこの書籍では数回出てきますが、これが臨床に出ている理学療法士にとって本当に重要であると読んでわかりました。
痛みを発生させている組織を仮説し、その組織および、その組織への負荷を改善させる。
成田崇矢.成田崇矢の臨床『腰痛』.運動と医学の出版社,2023,20p.
先ほどの文章を言い換えると、『適切な臨床推論を施行すること』です。
臨床推論:ある症状に対して「原因組織」と「その組織に加わる負荷」を仮設し、それを取り除くための検証を行うこと。
簡単に言うと『仮説検証作業』です。
正直なところ、大学時代の臨床実習では、ここまで考えてできていなかったですし、あまり教えてもくれなかったような気がします。
これの大事さが臨床で働くようになってからわかりました。
働き始めてすぐは、患者様に申し訳ないと思いながら根拠が薄いままリハビリをしてしまっていました。
評価して治療介入していく際に、「なぜそこに介入するのか」という根拠がしっかり見出せていなかったです。
しかし、この書籍を読んでからこの臨床推論の重要さを身に染みて感じ、日々の臨床で気を付けるようになりました。
そのお陰で最近の臨床では、臨床推論が上手くできることも増えてきて、患者様の症状を改善させることができるようになってきています。
臨床推論が上手くできて、適切な介入ができ、痛みが軽減したりあるいはなくなったりすると内心めちゃめちゃ嬉しいです。
そしてなにより上手くいくと楽しいです。
主訴は痛みのことが多いと思いますが、痛みが改善すると患者様も満足していただけると思いますし、いわゆる「Win-Win」です。
私と同じような境遇にあるPTの方々は、絶対に買って損はない一冊です!
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書籍を読んで臨床に活かす
腰痛には様々な要因が関係し合っており、その原因の特定が本当に難しいです。
腰痛は、大きく『特異的腰痛(ヘルニア・狭窄症など原因が特定できる腰痛)』と『非特異的腰痛(原因が特定できない腰痛)』に分けることができます。
そのうち『非特異的腰痛』は、85%と言われています。
いろんな書籍でも、「椎間関節性」/「仙腸関節性」/「椎間板性」/「筋・筋膜性」腰痛といった形で記載されているのが多いかと思います。
これらそれぞれの病態をしっかり理解した上で、患者様から問診で情報を収集し、おおよその検討をつけて評価に入る。
そもそもこれらの病態が全くどんなものなのかわからなければ、予想もつけられないですよね。
なので基礎知識はやはり重要です。
この書籍では、上記4つの病態についてやそれらの評価方法、そして介入方法となかなかのボリュームで記載されています。
この書籍を読んでから臨床で腰痛の患者様を担当するのと、読まずして担当するのでは雲泥の差があると思います。
この書籍を読むと、必ず腰痛への理解度は爆上がりします。
まだ私自身も、すべての病態を覚えていて完璧に評価して介入し、改善させることはできませんが、少しずつ症状改善に導けるようになってきていると感じます。
中には臨床推論が上手くできず、なかなか改善することができない方もいます。
まだまだ知識不足であるが故だと思うので、精進します。
学んだこと
この書籍から学んだことは、学生時代にはほとんど学ぶことがなかったように思います。
養成校によって差はあるかと思いますが、基本的に学校では国試に受かるために勉強するような感じかなと思うので、そんなレベルとは全く違います。
実際理学療法士として数ヵ月働いてみて、国試の勉強をして臨床に活かせるところって、そんなに多くないと感じます。
むしろ整形外科の外来となると余計にそうな気がします。
学生時代の勉強が無駄だとは思いませんが、もっと実践的な勉強ができていたら良かったのかなと振り返ってみて思います。
ただ、学生時代に最も重要なことは国家試験に合格することだと思うので、ひとまずそこを目標にして勉強すればいいと思います。
少し話がそれましたが、この書籍を読んで得られたものは、非常に大きかったです。
痛みを発生させている組織を仮説し、その組織および、その組織への負荷を改善させる。
成田崇矢.成田崇矢の臨床『腰痛』.運動と医学の出版社,2023,20p.
この考え方は、どんな症状でも共通して頭に置いておくべきであると思います。
おわりに
PTおすすめ書籍ということで、初回である今回は臨床で担当することの多い『腰痛』にフォーカスし、おすすめ書籍を紹介させていただきました。
はっきり言って、PTであるならば『この書籍を読まない理由はない』です。
整形外科クリニックに勤務している場合は特に。